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画材

油絵とは?油絵の具とは?どんな物なの?

油絵、油絵の具とはどんなものなのか?これから油絵を始める、または始めたい興味があるという方の参考になるように油絵の具について書きました。

「油絵描いていた」というと「すごーい。私は水彩止まりだわ〜」みたいな反応がとても多いですが、私は実は油絵の方が一発勝負の多い水彩画よりも気楽に絵の具を塗れたと思っています。それが伝わるといいなと思っています。


油絵とは?

油絵の具で描かれた絵画のことですね。もちろん、名も無い画家さんも学生さんが描いているのも油絵です。私も中学生から油絵を描いてきました。

では油絵の具って何?

実は油絵の具も水彩絵の具もアクリル絵の具も基本は【『顔料』プラス『定着剤(のり)』】という構造になっています。

『のり』の部分が『アラビアゴム水溶液』なら水彩絵の具、

『アクリル樹脂(アクリルエマルジョン)』ならアクリル絵の具となり

『乾性油(ポピーオイルやリンシードオイルなど)』なら油絵の具になります。

油絵の具の特徴は?

・乾くのが遅い

何と言ってもまずは乾くのがダントツ遅い!ということですね。

水彩絵の具やアクリル絵の具は水が蒸発することで絵の具が乾きます。

油絵の具はというと、油と酸素が結合する化学反応によって絵の具を画面に定着させます。

これを“酸化重合”と言います。この酸化重合は数日という単位での時間をかけて進んでいきます。

この酸化が早いほど、油絵の具は早く乾くというわけですので、メディウムや油を使うことで短時間で乾かすことが可能です。

・乾燥後の変化がない

水彩絵の具とアクリル絵の具は絵の具の中の水分も蒸発するので乾燥すると、体積が減ります。これをよく「絵の具が痩せる」と表現します。

乾燥することで絵の具の色やツヤに変化が出てしまいます。

その点、油絵の具は痩せることなくツヤや色の深みもそのまま残るという素晴らしい特徴があります。

・色に深みが出る

水彩絵の具やアクリル絵の具は絵の具そのものが表面に出ますが、油絵の具は油の層が何層にも重なり、下に塗ってある色を反映することができるため色彩には深みが出ます。

透明色を何度も重ねることで透明感を出すこともできます。

・臭いがある

これは油絵の具にも多少の臭いはありますが、何をおいても臭うのは絵を描く時に使う溶き油の揮発性油のペトロールやテレピン(ターペンタイン)なんですね。

これがとても臭う。油絵を描くならこれは覚悟しておいて欲しいです。

何と表現すれば伝わるのか?と考えても似たような臭いを思いつきません。言えるのは『鼻をツーン』と刺激するような尖った臭いということでしょうか。

でも、これも乾くまでのことで、乾いてしまえば臭いもなくなりますので、大問題というほどではないです。

・時間と共に黄変する

油の特性と言えるのですが、時間と共に黄変します。

私も中学生から油絵を描いてきましたが、色々な油とメディウムを使った作品はほぼ黄変しています。

全体的にちょっと黄色がかって彩度が落ちて、『古くさくなったな』って感じになっています。

これは油の改良がない限りは、今のところ避けようのないもののようです。

・間違えてもナイフで剥がせる、やり直せる

水彩画やアクリル画も多少の失敗は水を含ませた布などで抑えることで、修正できる部分もありますが、

油絵の凄いところは、間違えた部分の絵の具をペインティングナイフで削り取ってしまうことができるところです。

描き始めの時は、薄い下書き状態であれば、布でゴシゴシと拭いてしまうということも私はやっていました。

もちろん取らなくても、上に重ねて描くこともできます。

前日は「これでいい」と思っていたのに翌日見たら「え?やっぱりここを描き直したい」と思ったとしても、油絵ならこれが可能なんですね。

乾くのに時間がかかる、ということは不便でもありますが、便利な一面でもあります。

修正できると思うことで大胆に描くことができる、というのが私の油絵のイメージです。

・服に付くと取れない

どんな絵の具よりも取れないのではないでしょうか。

学生時代に制服に付いた絵の具をテレピンを染み込ませた布で拭いて取ったのを覚えていますが、

そんなに綺麗には取れないし、テレピンが乾くまで制服はとても臭くなりました。

ですので美術大学や美術大学用の予備校などで油絵を描く人は、バイクや車の整備士さんが着るような『ツナギ』を着る人が多いです。

全身を覆ってしまうツナギなら、思う存分油絵を描けるというわけです。

値段が高い

これは仕方がないのですが。絵の具としては高めです。

しかも油絵というのはある程度の大きさの画面に描くことが多いので、そうすると使う絵の具の量自体も多くなります。

溶き油やメディウムなども色々な種類と用途があり、油絵に凝ってそれぞれを用意するとやはりそれなりのお値段になってしまいます。

とはいえ、今はネットで色々とお値段も比較できますし、メーカーごとの絵の具の特徴を調べることも簡単にできますので、自分の予算に見合ったものを探すのも簡単だと思います。

それでも油絵と油絵の具のいいところ!

油絵の具の特徴について書いてきましたが、こう書くと結構欠点というかデメリットも目立つ油絵の具ですが、

それでもやっぱり油絵の具は素晴らしい絵画を今までも生み出してきたし、これからも生み出すはずです。

それはやはり、油絵の具は水彩画やアクリル画よりも深い色味とツヤを表現できるからだと思います。

サラサラとした水彩画のような使い方から、ゴッホのヒマワリや糸杉のようにゴツゴツと絵の具を塗り重ねて筆跡を残して、心情のうねりを表現することもできるのが油絵の具です。

こんな点からも油絵と油絵の具は、守備範囲の広い絵の具であり絵画であると言えると思います。

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